2017年

ジョンヒョンがこの世を去ってまた、月曜日が来た。

SHINeeを知ったきっかけは同じ年に東方神起にハマり出していて、めざましテレビ東方神起の弟グループが出ると知り録画ボタンを押したのが始まりだった。

Replayの日本バージョンのMVが流れる中、私はひとりのメンバーに惹かれた。
それがジョンヒョンだった。
彼の第一印象は「日本人顔の人がいる」
それはあくまで私の感想だけど、なんだか親近感がわいて、MV中の窓ガラスを拭いてる姿と、
「僕のわんちゃんが足におしっこをする」とカタコトの日本語で話していたのがすさまじく可愛く感じた瞬間に
私はSHINeeにハマっていた。

当時、私は美容室で働き始めていて、稼いだお金を遠征費に費やした。
めざましライブに当たってもないのにオニュペンの親友とお台場まで行って柵の端から当時リリースしたばかりのジュリエットを披露する彼らを見て、ステージ脇で一瞬ジョンヒョンの姿を見かけたときは大興奮だった。

国際フォーラムでのクリスマスイベント、次の日の代々木でのイベントに行ってさらに熱は上がる一方。

その後、私は仕事を辞め、転職がてら繋ぎのバイトで韓国アイドルショップに勤め、いっきに韓ドルヲタになっていた。
CDを買い、DVDを買い、コンサートに行き、新大久保に行きバラエティー番組のDVDを買い、YouTubeを見漁り、びったびたに韓国に浸かっていた。

しばらくして、私は派遣社員として働きだした頃に少しずつ熱が冷めていた。
ここにも3年の魔法がかかるのかーと思った。
だから、テミンのウギョルはまともに見ていなし、エビバデのときにはろくにカムバも見ていない。あんな素晴らしいパフォーマンスをしていたのに。
くそDDだから他にもSMAPやKinKiがいたので、少しSHINeeから離れて他の人たちの応援に熱をいれていた。

ある時、SHINeeが地元のホールでコンサートをすると知り
遅いながらチケットを取ったところ、ホールの一番後ろの席が当たった。地元だし、せっかくだからと思って見に行った。その「せっかくだからは」正解だった。
地元のホールは見渡しが良い作りになってはいるものの、
実際にパフォーマンスを見たときにはすごく近くに感じたし、Evilは鳥肌ものだった。
なにより成長した5人の姿に消えかけた熱が燃え上がった。

東京ドームが決まったときの公演をワイドショーを見て、相変わらず泣いてるジョンヒョンとキーくんに愛しさを覚え、絶対に東京ドームに行く!!と決め、一般チケットは当たったものの安定のお星様席だった。
SMAPでも3階席は当たったことがあったが見える感覚が大きく違った。統一された5万人のペンライトが東京ドームがやけに広く感じさせた。この大観衆の中、5人が立っていると思うととっても誇らしかった。
4時間ほどのコンサートとは思えない充実感で初日には中盤のバラードから泣き出すジョンヒョンとキーくんがまた愛しくて、今もLOVEのオニュのパートを聞くと人文字を作るためのカードをあげるドキドキを思い出すし、サプライズに驚いて泣く彼らの姿が忘れられない。「そんなに泣かなくても」と微笑んでしまう私も同じように泣いていて、パールアクアグリーンの海は本当に本当に美しかった。

熱心なファンではなかったから
細かいイベントや、渡韓して応援したことはなかったけど
日本デビューから影ながら応援してきて、
この5人ならいつまでも一緒にいてくれると信じてやまなかった。
同じことはSMAP27時間テレビのときに思った。
彼らはSMAPのように長く愛されるアイドルという存在になれるし、なる、と。

一報を聞いてから毎日泣いている。

今は後悔の念ばかりが押し寄せる。
タトゥーを彫ったとき、辛そうな歌詞を書いたとき
ファンとしてなにかできなかっただろうか
かといって、私のような端くれの端くれのファンがどうも出来ないのは百も承知で
だけど1がたくさん集まればきっとな彼に届いてると信じていた。
愛している、と。

でも、彼はもういない。

夢なら醒めてほしいと今も思っている。

時間を巻き戻して、韓国に飛んで、ガスの元栓を閉めて、練炭湿らせてどうにかして彼が自ら命を絶つのを阻止できないかとも思ってる。

そんなに辛いなら死なせてやろう、なんて微塵も思わない。
いつか死ぬ命なら今死ななくたっていい。
全て投げ捨てて、全てから逃げて、生きて逃げてくれればそれでよかった。二度と会えないのなら生き別れの方がよかった。
誰かのインスタでひょっこり顔出して、元気そうで良かった、と思いたかった。

28才のジョンヒョンにはどうやったって会えない。

彼が1秒ごとに過去の人に過去の思い出になっていく。

私は1秒ごとに彼の年齢に近づいて、来年の11月には彼よりヌナになってしまう。

アイドルのファンでいてこんなに辛いと思ったことはなかった。

私が応援してもSMAPは解散するし、応援しても剛さんの突発性難聴は防げないし、応援してもジョンヒョンは二度と帰ってこない。

ファンってなんなんだろう、私が5才から生き甲斐としてきたアイドルのファンって結局なんなんだろうって考えても考えてもわからなかった。

ただ、無力だ。


弱くて、ずるい私は逃げることを選んだ。
無力である自分から逃げることにした。
ヲタ卒なんて到底無理だけど、今のモチベーションのままアイドルを応援できそうにない。

みんな大好きでみんなを愛しているから。
また会うためのさよなら。

22年間アイドルヲタクとして生きてきた自分としばらく、さようなら。

















ジョンヒョン、君のファンになったこと一つも後悔してないよ。
優しい笑顔も泣きじゃくる姿も強い歌声も全部全部全部全部忘れない。
今もこれからもずっと愛してる。

それじゃ、またね。